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【書評】センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

good design companyの設立者・水野学氏による書籍。かの有名な「くまモン」や、NTT docomoの「iD」を手がけた方として有名ですね。

タイトルですべてを言い表している気がしますが、センスの正体とは一体何なのか、どうすればセンスが身につくのかについて書かれた本です。センスをきちんと言語化した本ってこの本が初めてだったので、とても興味深く読めました。


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センスは生まれつきのものではない

センスのよさとは、ミステリアスなものでもないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ誰にでも手に入れることができるものなのです。本書はこのことを前提として進んでいきます。僕もあなたもセンスは等しく持っていて、違いはそれをどう育てているのか、どう使っているのか、どう磨いているのかなのです。

「普通」を知ることが必要である

タイトルになっている「知識」というのがこの部分であり、本書のメインがここ。

センスはなかなか定量的に測ることはできません。しかし、普通よりちょっといいもの、普通よりすごくいいもの、普通よりとんでもなくいいものというように、普通という「定規」であらゆる事象を測っていくことはできます。普通こそ「センスのいい / 悪い」を測ることができる唯一の道具なのです。「普通のものをつくればよい」ということではなく、普通を知っていれば、ありとあらゆるものがつくれると筆者は主張しています。逆に言うと、普通を知らない人がセンスのいいものを作り出すことはできないということです。「普通」を知らない人がセンスを発揮しようとして突飛なものを生み出しても、ただ奇をてらったものとなってしまう可能性が高いということですね。

仕事において「知らない」は不利

普通を知る方法は知識を得ること。これに尽きます。センスとは知識の集積なのです。

世の中の企画には「誰も見たことのない、あっと驚く企画」というのは実はゴロゴロ転がっています。しかし、「あっと驚く企画」には二種類あります。世の中でイチバン少ないのは「誰も見たことのないあっと驚くヒット企画」で全体の2%程度。次に少ないのが「あまり驚かない、売れない企画」というもので、全体の15%程度、次は「あまり驚かないけれど、売れる企画」これは全体の20%程度。さいごに、一番多いのは「あっと驚く売れない企画」で、残りの63%がこれにあたります。つまり、「誰も見たことがないような、あっと驚くヒット企画をつくりたい」と思っている人は、たった2%の「あっと驚くヒット企画」にばかり目がいき、全体の63%を占める「あっと驚く売れない企画」には目をつぶっているのです。

まずは知識をつけましょう。過去の蓄積、すなわち「あっと驚かないもの」を知っていればいるほど、クリエイティブの土壌は広がります。過去に存在していたあらゆるものを知識として蓄えておくことが、新たに売れるものを生み出すには必要不可欠なのです。

客観情報の集積がセンスを決定

さいごに一点付け加えがあります。センスが知識で成り立つことは前述した通りですが、知識なら何でもかまわないかというと、そういうわけではありません。センスを良くするためには、単に情報を蓄積するだけではいけません。情報を収集し、流行に乗ったファッションをしているからと言って、似合っていなければ決してセンスが良いとは言えませんよね。それと同じです。

この例から分かるように、センスを良くするためには、客観情報も必要不可欠なのです。センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならないのです。


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自分の足元を見直す一冊

僕自身も、他のものと違うものを作ることだけに意識が集中してしまい、ただの奇をてらったものを作り出してしまうことがよくあります。しかしこれでは、一時的な注目を集めることはできても、本当にセンスのよいものを作れたわけではありません。知識を集め、普通を知り、真にセンスのよいものを作り上げていきたいですね。

当ブログでは紹介しきれませんでしたが、、本書ではセンスを身につけるための知識の吸収方法に関して、たくさんの提案がなされています。特に人生の先輩と話すことで知識・知恵・経験を吸収するといった項目は素晴らしかった。仕事のセンスを身につけたいと考えてる新卒社会人の方には是非とも手にとって頂きたい一冊です。

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる